キハ58形 急行形気動車 最後の活躍
〜 高山本線 富山駅ー越中八尾駅間 〜
2010年2月12日にJR高山本線で 定期運用では最後になってしまった 「キハ58形」に乗りに行って来ました♪ 当日の富山は雪が沢山降っていまし たが、朝2本と夜1本の計3往復を 富山駅-越中八尾駅で堪能しました。 |
キハ58・28形 車輌紹介
1961年(昭和36年)にデビューした急行形気動車です。
エンジンは横置き形の「DMH17H」で、キハ28は180psエンジンを1基、キハ58は2基搭載しています。
冷房装置取付けに際しては、キハ28にサービス電源用エンジンを搭載、3両まで給電が可能です。
全国的に電化が進み、急行列車そのものの数が減少していく中で、1980年代以降は次第に普通列車などの
ローカル運用に使用されるようになり、1990年代終わりには急行運用からほぼ撤退してしまいました。国鉄の
民営化でJR旅客会社すべてに継承されましたが・・・製造から40年を越える経年のため廃車が相次いでいます。
〜 富山駅 7:08発 → 越中八尾駅 7:34着 844D 〜
JR高山本線の起点は富山県富山市のJR北陸本線 の富山駅です。前日、上野駅から寝台特急北陸号 に乗車して早朝の富山駅に着きました。 |
越中八尾駅へ回送で向かい折り返し実車で富山駅 に着いて発車を待っているキハ58形と久し振りの対 面です。3番線で待機していました。 |
キハ58形は「高山鉄道部色」と写真の「国鉄色」の 2編成が在籍してるのですが・・・当日までどちらが 運用に就くか分からなかったのでドキドキでしたが 「国鉄色」が来てくれて良かったです♪♪ |
前面の貫通扉下部にある渡り版のアップです。 キハ28は2360号機です。動力のエンジンは1基です が、冷房用のエンジンを搭載しています。編成では キハ28は富山駅側に向いています。 |
哀愁漂うテールランプ・・・。出発信号は「赤」です。 早朝の静まったホームには独特な「DMH17H」の アイドリング音だけが響いています。 |
車内の明かりが結露した前面ガラス越しに漏れて います。車内の暖かさが伝わって来るような感じが します。寒い地方なので余計そう感じるのかな? |
側面の「JRマーク」です。2両編成の双方に貼って あります。このマークって最新型車輌に貼ってあっ たら変なような・・・。「国鉄型」だから似合うのかな? |
雪は降ってませんでしたが2、3日前に結構沢山雪 が降ったので周りは真っ白です。良く見ると私と同じ 目的で訪れている人もちらほら見受けられます。 |
「越中八尾」の前面方向幕です。いかにもローカル 線の終着駅っぽい感じの駅名って感じです。 ヘッドライトが何とも力強くカッコイイです。 |
出発時間は7:08発ですが・・・結構時間があるので じっくりと撮影を楽しみます♪色々な構図でカメラを 向けてみますが・・・どの角度も絵になるなぁ〜♪ |
前面の貫通扉下部にある渡り板のアップです。 キハ58形は477号機です。動力のエンジンは2基搭 載しています。冷房用エンジンは搭載していないので キハ28形とペアを組んでます。編成ではキハ58形は 越中八尾側に向いています。 |
ワンマン運転を実施しているのでホームには乗客の 乗降を確認するためのミラーが設置してあります。 1個だけでは無く編成数に対応するためにいくつかあ ります。2個の確認ミラーに上手く映りこむ様に撮影 してみました。まもなく発車時刻が近づいて来ました。 |
車内にはワンマン運転に対応するため運賃箱や写 真の運賃表示機が後付けされています。この車輌は 「富山駅〜越中八尾駅」間の限定運用だけなので御 覧の様に運賃が表示されるのも少しだけです。 |
本来のキハ58形の客室内はボックスシートだけです がワンマン運転や各駅停車のローカル運用の利便 性を考慮して乗降扉(デッキ)に近い所はロングシート (写真手前側)に改造されています。 |
〜 越中八尾駅 7:59発 → 富山駅 8:35着 849D 〜
7:34に越中八尾駅に到着しました。富山駅からは 約30分弱です。ちょっと市内から離れただけなのに 結構雪が多かったです。ホームにも普段人が通ら ない所は30cmくらい積もっていました。 |
折り返し7:59発の富山行きまでは25分の停車です。 乗降確認ミラー越しに撮影してみました。 |
少し遠くから望遠で撮影すると結構雪が降っている のが分かります。雪と国鉄色って似合うなあ〜♪ |
越中八尾駅では3番線に入線しました。富山向きの キハ28 2360号機には貫通幌が無いのでスッキリし た印象です。 |
キハ28 2360号機の「富山」行きの方向幕です。最 近の車輌は「LED」式の方向幕が主流ですが・・・ 幕式の方向幕の方が個人的には好きです。 |
現在の新型車輌には無い力強い連結器周りです。 キハ58 477号機にはスノープロウや貫通幌が装備さ れています。 |
スノープロウや貫通幌などで力強い雰囲気が漂う 越中八尾向きのキハ58 477号機です。 |
屋根上に並んでいるクーラーですが・・・良く見てみる と側面のルバー形状が違う物がいくつかありました。 |
7:59発849D間もなく発車になります。どの列車に乗る 時もこの瞬間がワクワクして来ます。 |
富山駅から来た越中八尾駅7:52発の猪谷行き846D が走り去って行きます。この列車をやり過ごして発車 になります。高山本線の主力車輌キハ120形です。 |
折り返し富山行きの車内です。座席が軽く埋まってい る感じの乗車率ですが・・・半分は私と同じキハ58形 が御目当ての人達で地元の人は少ない様な・・・。 |
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8:35富山駅に到着しました。先ほど3番線からの発車 でしたが、今度の折り返しは1番線からの発車です。 |
次の越中八尾行きは8:55発です。約20分程あります。 キハ28 2360号機は尾灯の形状が左右違っています。 |
〜 富山駅 8:55発 → 越中八尾駅 9:21着 852D 〜
出発時間まで時間があるのでホームとホームをつな いでいる跨線橋から撮影してみました。キハ58形は クーラー横のベンチレーターが撤去されている様です。 |
富山駅の全景です。北陸新幹線の建設に伴い駅構 内では工事中な箇所が多いです。開通してしまった ら駅の雰囲気も変わってしまうのでしょうネ・・・。 |
1番線の対岸にある北陸本線の2番線から編成全体 を撮影です。とてもスマートで編成美が綺麗です♪ |
運転席はいかにも男の仕事場といった雰囲気です。 ここに座れるのはごく限られた人達だけです・・・。 |
車内は一部を除きボックスシートです。適度な柔らか さで懐かしさを感じさせる座り心地です。 |
乗降口(デッキ)に近い所はロングシートに改造され ています。一番奥の茶色い部分は優先席シートです。 |
千里駅では越中八尾駅発の853Dとの列車交換です。 2両編成で運行するキハ120形です。窓ガラスに付い た結露を見ると寒さが一段と増してる様に感じます。 |
9:21越中八尾駅に再び到着しました。雪は降り続いて いてやむ気配はありません。雪なら風情があり写真も 良い感じですが・・・雨でなくて良かったです。 |
〜 越中八尾駅 9:57発 → 富山駅 10:25着 857D 〜
折り返し富山駅行きの発車時間までは36分もありま す。懐かしさが漂う切符売り場と改札口越しに国鉄色 のキハ58形・・・何とも絵になる構図です。 |
ホームとホームをつなぐ跨線橋から撮影してみました。 こういう上からの構図はなかなか撮影出来るもので はないので面白い写真ですネ♪回りも雪が沢山♪ |
キハ58 477号機のテールランプです。長い年月経って いる味のある雰囲気です。 |
キハ58 477号機には国鉄時代から変わらない扇風 機が装備されています。 |
千里駅にて列車交換です。富山駅から発車して来た 列車を待つ為に少し長く停車します。 |
越中八尾駅行き854D行きの到着です。キハ120形 が1両で運転しています。 |
千里駅を出発すると大きく右へカーブします。一番後 ろの窓を開けて雪原の中を走っている感じを撮影。 最近の新型車は窓自体が開かないのでこういう写真 もなかなか撮影出来ないですよね。 |
10:09に速星駅に到着しました。 列車交換はしないで直ぐに発車しました。雪は止んで いましたが、周りは銀世界♪結構積もっています。 |
速星駅〜婦中鵜坂駅にて |
速星駅〜婦中鵜坂駅にて。一面銀世界です。晴れて いて青空が広がっていても綺麗だろうな〜♪ |
10:18西富山駅に到着しました。越中八尾行きの 856Dです。キハ120形が1両で運転されています。 |
このキハ120形「高山線色」は前と後ろではフロントの 色が違っています。後追いも撮影しました。 |
10:25富山駅に到着しました。改札口に一番近い1番 線に入線です。朝の運用はこれで終了なのでこの後 車庫に戻る為に回送の出発待ちです。時間があるの で、またじっくりと撮影を楽しむ事にします。 |
ホームの柱に設置してある高山本線の時刻表と一緒 に撮影してみました。改札から一番近いのが北陸本 線ではなく・・・本数が少ないローカル線の高山本線 と言うのがなんとも不思議な感じがします。 |
北陸本線の時刻表には寝台特急「日本海」「北陸」 そして急行「能登」の時刻が表記されています。 「北陸」と「能登」は2010年3月13日のダイヤ改正で 廃止されてしまうので・・・国鉄色のキハ58とのある 意味貴重なスリーショットなのだろうか・・・。 |
キハ58とキハ28の連結面です。良く見ると小窓が 白く埋められているものとオリジナルのままの物が 混じっています。よくよく考えたら日本中に存在して いたキハ58系列の唯一の生き残りといっても過言で はありませんね!!出来るだけ活躍して欲しいです。 |
屋根上機器、クーラーの横に取り付けられている 「ベンチレーター」です。チョット見づらいですが・・・ 無塗装でステンレスかな??地のままみたいです。 |
「回送」の方向幕を出して後は出発信号が「青」にな るのを待つだけです。北陸本線の発着列車を見計ら いながら車庫に帰ります。 |
ホームの最短で駅全体と撮影してみました。時間帯 は11:00前くらいなのでホームいる人もまばらです。 こ〜〜〜〜〜んな長いホームに”ちょこん”と停車 している姿もなんだか可愛らしいですネ♪ |
回送で富山(貨物)に向かいます。このキハ58形は 高岡が所属ですが富山(貨物)にて常駐している様 です。夜の「富山駅 19:11発 888D」までゆっくり休ん で下さい。走り去って行く姿が・・・お疲れ気味かな? |
〜 富山駅 19:11発 → 越中八尾駅 19:36着 888D 〜
凝りもせず・・・またやって来てしまいました♪昼間の 間に「富山駅」「富山地方鉄道」「富山ライトレール」 などを撮影、時間を潰して再び会いに来ました♪♪ |
昼間撮影した同じ構図でも・・・夜間に撮影してみる と・・・また哀愁が漂うと言うか何とも言えない雰囲気 で良いですネェ〜〜♪ |
ホーム屋根下に設置されている乗降確認ミラー越し に撮影しました。日が落ちて気温が下がったためか 雪が結構降って来ていました。 |
長い待機時間がってからの運行なので・・・「もしかし て!高山鉄道部色が?!」なんて期待しましたが・・・ 朝に乗った同じ「キハ58形+キハ28形の2連」でした。 |
発車時間が近づいて来ました。右側の北陸本線を 高速貨物列車が通過して行きました。 |
「越中八尾」の前面方向幕です。「LED式」よりやはり この方向幕の方がローカル線の雰囲気出ますよネ♪ |
夜間見ると・・・いっそう力強く見える前照灯です。 最近の新型車では「HID式・高照度放電灯」などが採 用されているので、哀愁漂って個人的には好きです。 |
出発信号は「赤」です。出発時間が来て「青」になる まで静かに待ちます。ホームの乗降確認ミラーに前 照灯を映り込んで撮影です。運転士目線みたいです。 |
高山本線では「ワンマン運転」を実施しています。 そのため助士席側には「ワンマン」の行灯が取り付け られています。車内から漏れた明りが哀愁を誘います。 |
夜の静かなホームにディゼルエンジンのアイドリング 音だけが響いています。これが日常の風景だった頃 が懐かしいです。まもなく19:11、発車します。 |
高校生の帰宅時間と重なり車内は超満員でした。 途中の駅で下車して行ったので終点に着く頃には 閑散として来ました。乗っていたのはやはり私と同じ 目的の人達がちらほら・・・。 |
終点の越中八尾駅の一つ手前の千里駅では富山駅 行き891Dとの列車交換です。2両編成で運転してい るキハ120形です。結構雪が積もっています。 |
〜 越中八尾駅 20:01発 → 富山駅 20:33着 893D 〜
19:36越中八尾駅に到着しました。折り返しの富山駅 行きは20:01発なので25分時間があるので夜の撮影 をじっくり楽しむ事にします。 |
昼間も撮影した構図ですが・・・夜撮影してみると、ま た良い雰囲気です。遠くに見えている町並みもなん だか静まり返っている感じで良い雰囲気です。 |
キハ58 477号機の車内です。ロングシートに改造 されている所にはつり革が設置してありますが、つり 革は「三角型」の最新型です。網棚は名前の由来通 りの繊維ひもで編んだ昔ながらの網棚です。この車 輌は国鉄時代からの「扇風機」も装備されています。 |
こちらはキハ28 2360号機の車内です。基本的な構 造自体は同じですが・・・長い間に改造を施されて微 妙に違う所が面白いです。つり革は昔ながらの「丸型」 で網棚は最近の車輌と同じ「ステンレス製」です。 こちらには「扇風機」は装備されていません。 |
本来、急行形であるキハ58形は客室とデッキを壁で 仕切っていましたが・・・ローカル線などで普通列車と しての運用効率をアップさせるためデッキとの仕切り は取り払われています。乗降口から入って直ぐ手前 にロングシートの「優先席シート」が設置されてます。 |
人気の無いホームにディーゼルエンジンのアイドリン グ音が気持ちよく響いています。20:33間もなく発車に なります。3往復乗った今日一日も最後になってしまい ました。さようなら「越中八尾駅」機会があったらまた 訪れて見たいです。その頃までまだ走ってるかな〜? |
西富山駅に20:25到着しました。列車交換のため数 分停車します。線路には結構雪が積もっています。 猪谷行きの892Dが接近して来ました。 |
結構雪が多く降っています。キハ120形1両で運行し ている猪谷行き892Dです。停車したら直ぐにこちらも 同時に発車で、もう直ぐ終点の「富山駅」になります。 |
20:33富山駅1番線に到着しました。一日お疲れ様で した♪この後は回送で「富山(貨物)」に向かいます。 回送の出発時間までしばらく停車しています。 チョット雪が降り始めて来ました。 |
キハ58形の窓の前に設置されている小さいテーブル で乗車券(切符)と越中八尾駅の「入場券」を記念撮 影です。富山駅〜越中八尾駅間は「\320円」です。 合計で3往復したので「\1.920円」かかりました。 |
昼間より気温が下がったせいで走行中前面に着いた 雪も溶けないで積もったままです。寒そう〜!! 新型車には無い力強い前面窓ガラス周りです。 |
さて・・・回送の出発までまもなく・・・これが最後の撮 影になりました。短い区間ではありましたが懐かしい 乗り心地やディゼルエンジン音を堪能できました。 |
駅の跨線橋からも最後の撮影です。線路に積もった 雪を見てみるとキハ58形が停車している位置の雪は エンジンの熱で溶けています。まだ21:00前なのです がホームは閑散としています。まもなく回送発車かな? |
回送で発車していく所を対岸の北陸本線2番線の ホームから見送りました。このキハ58形の運用は平 日のみの運行なので土曜日の明日はお休みです。 ゆっくり休養して♪「今日一日ありがとう!!!」 |
JR高山本線 活性化社会実験事業 について
JR西日本は2006年(平成14年)10月21日から始まった「JR高山本線活性化社会実験事業」の一環
として高山本線の「富山駅〜越中八尾駅」間の一部の列車にキハ58形+キハ28形の2両編成が使用
されています。2010年(平成22年)現在ではキハ58形の定期運用では唯一になってしまいました。
運用は平日のみで土日祝は運休になるダイヤのため乗車&撮影するには平日に限ります。
この社会実験事業が終了してしまったらキハ58形達はどうなってしまうんでしょうか??
そのまま「廃止」されてしまう可能性もあるかもしれません・・・出来る限り末永く活躍し続けて欲しいです。
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